傾向 | 試験時間60分で小問15問前後の構成は例年通りでしたが、大問数が4題から5題になり、解答用紙が両面縦向き1枚に戻ったものの、大問1は解答のみ、それ以外は記述型という形式は継続しており、やりにくさを感じた受験生はそれほど多くはなかったと思われます。受験者平均点は48.9点と昨年度並みでしたが、4科型の1点上昇に比して3科型は約3点下降しています。平均点の状況から難問ぞろいの印象が強いかもしれませんが、合格のためには正解必須の難度が低めの問題があったり、毎年ではありませんが過去問に類似した設定での出題がなされています。このあたりが近年の傾向を反映しているといえるでしょう。 |
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対策 | 『割合』『速さ』『図形』『場合の数』からの出題が大半を占めますが、必ず出題される単元はありませんので、単元を絞るのは効果的ではありません。どの分野においても解き方をなぞるだけの学習ではなく、本質にまで踏みこんだ深い学習が必要です。部分点対策として、状況整理や場合分けを整然と書き残す練習が有効です。『自分だけが分かるメモ』ではなく『採点者が分かりやすい答案』を意識しましょう。過去問を解く際には、リード文中にある手がかりや、小問の誘導を意識するとよいでしょう。
【ポイント】
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傾向 | 長らく知識分野、説明文、物語文の3題構成で50分間の入試でしたが、2024年度は知識分野、随筆文、説明文、物語文の4題構成で60分間の入試でした。 知識分野では、書き取り漢字の語彙の難しさが際立っています。また「指定の語句を用いて短文をつくる」設問が出されていましたが、前述の通り2024年度は形式が変わり文章読解が1題増えました。 過去問演習を行う際には注意が必要です。 文章読解では、記述が3~4問出されます。合計字数は2019年度以降200~240字で推移しましたが、2024年度は合計270字でした。1問あたりの字数は最大100字です。物語文は、不幸な境遇にある少年・少女の葛藤を描いた作品がよく選ばれます。 |
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対策 | 知識分野では、小学生にはなじみの薄い言葉や表現が出されます。読解分野では、選択式問題での確実な得点力を踏まえた上での、記述問題で差がつきます。高度な語彙力と記述力が求められます。
【ポイント】
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傾向 | 生物・地学・化学・物理と並ぶ大問順に変化はありません。例年、小問は50問程度で多く、手早く処理する必要があります。昨年度から2年連続で、地学の大問が2題です。今年度は54問と昨年度の45問から増加しています。最難関校としては知識問題が多いのが特徴ですが、近年、計算問題・思考問題の割合が高くなっていましたが、今年度は知識問題の割合が上がっています。計算問題は減少傾向ですが、計算問題への対策は必須です。 |
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対策 | ここ数年、標準問題~HIレベル特訓の問題を少し掘り下げたものが多く出題されています。また、環境問題に関する問題が3年連続で出題されています。点差がつきやすいため、理科を苦手にしている生徒は注意が必要です。生物・地学・化学の細かい知識は必須です。計算問題は発展問題~HIレベル特訓の問題を確実に解ける力を養いましょう。問題文が長く、その中から問題を解くために使う数値や考え方などを読み取る必要があります。長文の問題に取り組みましょう。
【ポイント】
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傾向 | 地理・歴史・公民とそれらを総合した、長文つきの大問4つの構成です。小問数50問程度で、地理・歴史が各4割と公民が2割程度の出題割合はここ20年程度にわたって一定しています。また、論理的思考力を要する定型とは言えない統計問題が2割程度、正確な知識力・注意深い読解力を要する文章正誤問題が4割程度を占めます。こうした思考力問題の割合は最難関校の中でも群を抜く6割以上に達しており、機械的な知識暗記では合格に必要な得点は確保できないでしょう。他の3教科より取り組みやすい難度ですが、2010年代と比較すると細かな知識を要する問題が増える傾向にあり、得点を伸ばしづらくなっています。 |
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対策 | 正確な知識力、それを土台に論理的に物事を考える思考力、文章の正誤を判断するための注意力が必要です。また、構成・形式が極めて一定しており、高難度の思考力問題も過去に類例が認められるものもあることから、過去問研究・類題演習が非常に有効です。
【ポイント】
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