算数

【1日目】傾向 8年間、11題と12題の出題が交互に繰り返されましたが、ここ4年は12題の出題となっています。受験者平均60.7点と、ここ近年での標準的な難易度に落ち着きました。また、受験者平均点と合格者平均点の差は12.0点と例年よりは小さく、「解けるか解けないか」の差よりも、「ミスがあるかないか」の差が現れた結果であろうと考えられます。
【2日目】傾向 例年通りの60分で5題の形式でした。受験者平均は59.2点、合格者平均は72.2点と、平均点は令和に入ってから同じような水準で推移しています。問題の難度に目を向けると、灘中受験生レベルでの「特殊な解法を思いつかないと全く歯が立たない」といった問題は見当たりませんでした。質・量ともにバランスの取れた試験となり、正解を導き出すためにいかにコツコツと努力してきたかが問われる入試となりました。
【2日目】対策 高度な思考力、緻密な作業力に加えて「処理力」を要求されています。素早く正確に解くことをとことん突き詰めていかなくてはならないように傾向が変わってきているといえるでしょう。1つ1つの問題を正解することだけで満足するのではなく、どうすれば効率よく解けたのか、どういう手順で解けば楽なのか、という解法の道筋意識して学習するよう心がけましょう。

【ポイント】

  • 問題を図(線分図・状況図・グラフ等)に整理し、内容を把握することを日頃から意識する。
  • 平面・立体を問わず日頃から作図することを習慣化し、正しい図形感覚を身に付ける。
  • N算数のプリント教材、志望校別特訓の教材等「灘特有」の問題に粘り強く取り組む。

国語

【1日目】傾向 多岐にわたる語句、漢字の問題が中心です。大問数は6~8、小問数は約50問です。大問1番は基本的な論理の読解が2~3問と、文章内の語句に関する知識、言語の運用に関する小問が3~4問出題されます。大問2番以降は語句知識の独立問題です。なかでも外来語、俳句の問題が毎年出題されるのが特徴です。他はことわざ、慣用句はもちろん、漢字、熟語、文法など出ない分野はないといえます。そしてこれらの多くが語形や種類の共通するグループで出題されます。また、漢字のしりとりの条件としての字の音や、画数、字義など、書き取りにとどまらない漢字に関する出題も特色の一つです。
【1日目】対策 漢字や慣用表現を、多様な角度からとらえる練習をしておくことです。意味はもちろん、文中でどう用いられるかまで意識することが大切です。さらに日常触れるさまざまな語句に敏感になり、豊富な語彙力を身につけることが必要です。

【ポイント】

  • 比ゆの内容を理解して語句を覚える。
  • 語句はこまめに意味を調べ、書き留める。
  • 自分、他人(大人)の言葉遣いに興味を持つ。
【2日目】傾向 散文2題(論説文、随筆、小説の組み合わせはさまざま)と詩1題の読解問題が出題されます。詩以外の2題は、コミュニケーション、自然科学、主体性、比較文化論など多様なテーマでそれぞれ3000字程度の文章が出されます。設問は、書き取り約10問と読解が約20問、種類は、具体化、指示内容を説明する問題が大半で、心情を問うものが極めて少ないのが特徴です。8割が記述問題で、設問での字数指定はありませんが、解答欄の行数で暗示され、30~50字がほとんどです。字数が多くない分、適切な表現を用いて過不足なく答える高度な力が求められています。
【2日目】対策 文章の種類に関係なく、中心をとらえ、その具体、抽象の対応を、指示語、接続語に注意しながらつかむことが何より大切です。記述解答に対しては設問を的確にとらえ、文章構成(対比・並列など)をふまえて書く手順を練習することが必要です。

【ポイント】

  • 要旨、主題をとらえる練習をする。
  • 指示語、接続語に注意する習慣を付ける。
  • 修飾関係がわかりやすい文を書く練習をする。

理科

傾向 2017年度より大問6題です。今年度の出題分野は生物と地学が1題ずつ、物理と化学が2題ずつでした。生物は、生態から、ここ4年は人体・体のつくりについての出題へと変わってきています。化学は、計算だけでなく、問題の条件にそって思考を要する問題です。物理では“灘”らしい力のつりあいに関しての思考問題がよく出題されています。地学は天体関連の問題が出される傾向にありますが、本年は地震に関する問題でした。
問題の指示に従って解き進めることが重要で、その際にきちんとした分析ができるよう読解力や作業力を鍛えておきましょう。
対策 灘中学校の問題は、問題で与えられた条件をもとに答えるものが主になります。しっかりと問題文を読んで解答していくことが重要となります。

【ポイント】

  • 計算の速さと正確さはいうまでもなく、表・グラフ・文章中に与えられた数値などからすばやく数量関係を見抜く訓練をしておくこと。
  • グラフや図をかく問題に取り組み、典型的なパターンは理解しておくこと。
  • 文中の条件をしっかりと捉え、思考する習慣をつけておくこと。